旦那様と出会ってなんやかんや付き合って結婚する話の続きです。人を好きになることも好かれることも怖くて諦めてしまう毒親育ちの方々にこんな事例もあるよとの、ご参考までに。(こっ恥ずかしいのであまり事細かくは書きませんよー!)
こうして籍を変えた
「明後日恋人紹介する。んで、C県で同棲する」
事務連絡的に切り出した管理人をぎょっと見た父親は、「わかった」の一言でした。
彼の人に与えた情報は、
家はボロっちいこと
親とは「年一で会う親戚のおじさん」くらいの距離感であること
の2点のみ。どんな家でどんな事情でも別にそれはいいと言ってくれた彼の人は、心が広すぎる人間だと思います。
対面は30分とかかりませんでした。6年以上の付き合いなこと、このまま同棲することへの許可。こちらから話を振って、それに頷くだけの父親。ぎこちなくも許可をくれ、言質を取ったあとはサクサクお暇しました。実家の荷物はすでに整理済み。庭を整え客間のカーペットを替え、コタツを買い替えておいたのはこれから過ごす姉妹のためでした。彼の人の家には事前に一度伺って、こちらもご許可を頂いてました。緊張で何を話したかほとんど覚えてません。両家ともに顔は通したので、ただの同棲ですが少し「婚姻」を意識してました。
この顔合わせ以降、実家と連絡を取ることは稀です。妊娠結婚の際に話したくらいであとは年に一度電話するくらいです。
同棲後は数ヶ月で妊娠に気づき、気付いて両家に連絡をとったのち籍をすぐ入れました。出来婚に少々後ろめたさを持っていた管理人に、
「早いか遅いかの違いでしょ?」
と当然の如く言い放った彼の人は本当に心が広い(大雑把ともいえますが)。結婚式も出産後身内のみのこじんまりしたのを挙げましたが、正直産後メンタルが酷くほぼ覚えてません。
彼の人はこうして旦那様になりました。実家が疎ましかった管理人は夫婦別姓は選ばず同姓にしました。手続きは面倒でしたが、対外的に実家との繋がりは希薄になりました。旦那様を利用したともいえる方法ですが、実家と距離を取ることにより、体調に驚くほど変化が起きました。
胃が痛まない。お通じも出る。顔に醜くあった吹き出物が跡形もなくなくなる。抜け毛も少なくなる等々。
ど・れ・ほ・ど!!実家がストレスだったことか!!
同棲も結婚後も楽しいことばかりでありませんが、苦ではない。実家が恋しくなることも無ければ、大きい喧嘩もなく夫婦仲はそこそこです。
毒親育ちでも、誰かを好きになってもいいみたいです。結婚しても、今の所大丈夫です。互いに互いを尊重して、耳を傾けることをしていれば。人として犯してはならないことをしていなければ。好きになるのも結婚するのも勇気は入りますが、あとは自分の覚悟ひとつだと思います。親と対面する、フェードアウトする、恋人に話す、墓まで持ってく……その選択をしたということとその結果をまるごと受け入れる覚悟を持てば、大抵のことはなんとかなります。毒親育ちでも、昔を思い出して震えることもありますが、こうして文字におこせるまで回復します。親と自分は別の個体なんです。今ひとつ踏み出せない毒親育ちの仲間へ。前進も後退も、停滞よりはマシだとお伝えします。
毒親育ちの恋愛 了