この話は、プツンと何かが切れた日のお話です。昔を掘り起こして書き出すので読み苦しい点、ご不快な点がありましたらそっと閉じてください。
ぷち
あの音は、何が切れた音だったのか。
その日は、大学を卒業して就職した先を退職し、違う業種でバイトをしてた日でした。
退職したのが3月。バイトを始めて4ヶ月ほどです。高校も大学もバイト漬けの毎日で、軽いセクハラにも慣れて、叱られるのも自分のスキル不足だしと納得はしてたんです。8月後半には恋人(今の旦那様です)と同棲するため引っ越しが決まっており、短期間の契約でした。
が、あと一月が頑張れなくなったんです。バイト終わったあとチーフに「辞めます」と告げ、その週の内に制服を返しました。
なにもやりたくない。
誰にも会いたくない。
「人」が怖い。
外面は良くて10年くらい自宅の窓ですら笑ってる自分しか見たことなかったんですが、その日から口角を上げ、目尻を下げるのが苦痛になりました。
バイト先には多大な迷惑をかけてしまったと反省してます。辞める際も謝りましたが、短期間で雇ってくれたのに、更に一月短くしてしまって。バイト先の人間関係はそれなりに良好?でした。皆さん忙しい時は荒々しくもなりますが、大体はわからないことは聞けば教えてくれるのですから。あまり親しくはなりませんでしたけど、準備や仕事終わりにシフトが被った数人とお話することもありました。
普通の職場でした。それなのに……。
人に疲れたのです。笑顔が辛いのです。話すのも話しかけられるのも、見るのも見られるのも嫌になりました。雑踏に紛れるのは平気でした。誰も彼も無関心で、自分を見る人間なぞ一人もいないのに人の気配がするところが安心でした。
恋人と姉妹となら普通に笑えたし話せました。初対面の人と会うのは元々緊張したけど、短時間なら笑えてたし話せました。だから、特に周りに不審な印象を与えてはいなかったと思います。
外面だけ知ってる人と話すのが苦痛でした。八方美人ていうんですかね。人によってある程度対応印象を変えて接していたのですが、人格を「変更」するのが辛くなりまして。引っ越しまでの一月は自宅の部屋や人気のない山で過ごしてました。
プチ鬱なのかなぁ?まぁ、その内気にならなくなるでしょ。
やる気がなくて、準備ができると挨拶もそこそこに引っ越しました。
あっちで新しい仕事探そう。
バイトでもパートでもいい。なんでもいい。きっとできるとそう思ってました。
続きます。